――遊ぶ→払う→振り返る、今日からできる親子の実践
子どもとお店に行くと、「これ買って〜!」が合言葉のように始まりますよね。親としてはつい「今日はダメ」「また今度」と言ってしまいがちですが、実はこのやり取りこそが“お金の学び”の入口です。大切なのは、買える・買えないの二択で終わらせないこと。目的や優先順位を考えて「選ぶ力」を少しずつ育てていくことだと感じています。
私はこの「選ぶ力」を育てるために、わが家で遊ぶ→払う→振り返るという3つの流れをくり返すようにしました。特別な教材は不要。家にあるもので、今日からはじめられます。
1|まずは“遊び”で「お金ってなに?」を体感する
最初の一歩は、机に向かう勉強ではなく“手を動かす遊び”です。たとえば家の中にある文房具やおやつに簡単な値札をつけて「お店やさん」を開くと、子どもは目を輝かせて店員役やお客さん役を入れ替わりながら楽しみます。ここで大事にしているのは、「お金=ありがとうの形」というイメージづけ。誰かが働いて価値を生み、それをお金で受け取る――この当たり前の循環を、会話や簡単なイラストでふんわり伝えます。
硬貨を触りながら名前や大きさの違いを観察するだけでも十分な学びになります。「同じ50円なら、今日はどっちが自分にとって大事かな?」と問いかけると、子どもなりに理由を探し始めます。正解はひとつではありません。考えるプロセスそのものが“お金の感覚”を耕してくれます。
2|つぎに“自分で払う”小さな経験をつくる
遊びで温まったら、実社会に少しだけ足を踏み入れます。おすすめは「100円チャレンジ」。あらかじめ予算を子どもと合意したうえで、お店で1つだけ選び、レジで自分の手からお金を渡す体験です。欲しいものがたくさんあって迷うときもありますが、迷って、値札を見比べて、決めて、支払う――この一連の流れを1回でも体験すると、数字が急に自分ごとになります。
支払い後はレシートを一緒に眺め、「値段・税金・合計」の3点に目を向けます。交通系ICやキッズ財布で“タッチ”の支払いを体験するのも良いですが、そのときこそ残高確認をセットに。見えないお金ほど、見える化が大切です。
3|最後に“振り返り”で言葉にする
買った瞬間に学びが終わらないよう、夜に3分だけ振り返りの時間をつくります。私は次の3つを合言葉にしています。
- 何を選んだ?どうしてそれにした?
- ほかに迷ったものは?どこが違った?
- 今日の学びは?次はどうしたい?
「おいしかった・嬉しかった」で終わらせず、理由や感情を言葉にしていくと、次の買い物での迷い方や基準が変わっていきます。たとえば「今日はお菓子より文房具を選んだ。学校で使うから長く役に立つと思った」という言葉が出てくると、もう“値段だけ”ではない視点が育っている証拠です。
わが家の小さな工夫
体験をスムーズにするために、いくつか小さな工夫もしています。まず、予算やルールは出かける前に共有しておくこと。「今日は1つだけ」「上限は100円まで」と決めておくと、現場でのやり取りが穏やかになります。迷って買わなかったものは“欲しいものリスト”へ。次に検討する楽しみが生まれ、衝動買いの後悔も減ります
きっかけになる本
遊びと実体験に少し読み物を添えると、親子の会話が広がります。
『おさいふのかみさま』『ドラえもんの社会ワールド お金のひみつ』なども使えます◎
まとめ:小さな体験の積み重ねが“選ぶ力”になる
お金の学びは、難しい講義ではなく日常の小さな積み重ねです。遊ぶ→払う→振り返るの3ステップをくり返すだけで、子どもは少しずつ、でも確かなスピードで「自分で選ぶ」練習をしていきます。週末にまずは「100円チャレンジ」から。値札の前で立ち止まり、いっしょに迷って、決めて、夜に3分だけ振り返る――それだけで、親子の会話にも、子どもの目の輝きにも変化が生まれます。


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